近況報告

長政研レポート vol.36号 寒紅号

季節が夏から冬へ一足飛びに移って秋の風情をいまひとつ感じることができなかった今日この頃ですが、皆様お元気ですか。地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めることのできる活気に満ちた地域社会を作っていくことを目指す「地域主権」改革が声高に言われている割には、相変わらず地方選挙において政党間の対立の図式になっているのは私のような地方議員にとっては大いに違和感があります。国政選挙ならともかく、県、市町村の首長を選ぶことにおいては、地方には地方それぞれの事情、また生き方、進め方があります。官製談合事件に見舞われた県政に決して後戻りすることなく、県知事選挙なら県民のことを、市町村長選挙ならその地域住民のことを体を張って守り、生活と福祉の向上を図ってくれる人を選びたいものです。中央の党利党略を地方に持ち込まれるのは地域で暮らす住民にとって幸せなことだとは思えません。  今年は暑い夏から参議院議員選挙、和歌山市長選挙、そして県知事選挙と立て続けでした。投票率が低いのは気になるところですが、国内外に難題が山積しているときだからこそ冷静に投票行動で政治への自らの意志を国政、そして地方政治へ反映させたいものです。今のところ2府5県で設立される「関西広域連合」には私も大いに期待を持っています。和歌山県として大きな府県の中に埋没することなく、本県の長所を思いっ切りアピールすべく、むしろ先導役として参画すべきだと思います。「防災」、救急医療では先駆県である「医療」、それに京阪神にはない海山川の自然環境や温泉に恵まれた「観光」等を、関西という広域でスケールメリットを生かして、無駄を排して効率的に展開することは和歌山県にとって大いにメリットがあると思います。

<5月30日(日)わかやま自転車祭り〜紀ノ川河川敷を走ろう〜>
(財)地域社会振興財団の平成22年度長寿社会づくりソフト事業費交付金が決定したのが4月初旬ということで急ごしらえでありましたが、第1回わかやま自転車祭りを和歌山サイクリング同好会主催で実施いたしました。障がい者の方にも健常者と同じサイクリングの爽やかな風を体験していただきたいという趣旨で、2人乗りのタンデム自転車や変り種自転車もお借りして、競輪選手会和歌山支部の選手の皆様にも多数ボランティアで講師になっていただいて、約200人足らずの皆様で楽しませていただきました。北署の交通課員の交通安全教室や和医大の上野雅巳先生の「自転車と健康教室」も開催して皆さん熱心に聞いてくれました。開会式のときに地べたにうずくまって泣いていた重度の自閉症児が、タンデム自転車に乗ってゴ−ルに帰ってきた時には元気な声で笑顔で帰ってきてくれたとお母さんが感激して話してくれたと、特別支援学校の教頭先生からお聞きしたときは私も感動で胸が詰まりました。親子で、また先生と教え子で変り種自転車に乗って大人も童心に帰ってはしゃいでいる光景がなんとも心温まるものでした。私も初めてタンデム自転車のパイロット席(前席)と後部座席を10kmほど体験しましたが、女性の方と一緒だった!こともあって、はじめは不安でしたが、ほんとうに楽しくさわやかな経験をさせていただきました。第2回は10月17日(日)和歌山市内の歴史・文化と触れ合うエコサイクリングを実施し、同時に和歌山周辺のサイクリングロ−ドマップも発行いたします。ぜひ楽しんでご参加ください。

<10月17日(日)第2回わかやま自転車祭り>  今回もお天気に恵まれて、約35kmの市内サイクリング(砂の丸→河西緩衝緑地→木本八幡宮→加太の淡島神社→NPO自然環境学習センター→西脇漁協→河西公園)と、河西公園での2人乗りタンデム自転車と障害者用3輪、4輪車の走行会、そして和歌山市周辺サイクリングマップ配布を行いました。木ノ本地区は有吉佐和子やビタミン博士の高橋克己先生の縁もありますし、獅子舞も見学できました。和歌山市の魅力再発見ということでサイクリングには約120名、河西公園には障がい者の方々と保護者約70名、ボランティアの方やスタッフ約30名でにぎやかに開催できました。バリアフリーの観点からタンデム自転車の公道走行のための条例改正に向けたデモンストレーションにもなったのではないかと思います。

<9月1日 カジノ・エンターテインメント研究会シンポジウム>  観光振興、雇用拡大への地域活性化策として議論されているカジノについてのシンポジウムに行ってまいりました。世界観光ランキング2位のオーストリアでカジノを運営しているカジノ・オーストリア・インターナショナル日本代表の木村慶一氏は、日本では地域の治安を乱し青少年に良くないイメージであるが、ヨーロッパでは「カジノと観光」は一体的なものと捉えられていて、日本の観光立国に必要不可欠と訴えました。大阪商業大学アミューズメント産業研究所研究員の中條辰哉氏は、カジノの想定されるデメリットに対して、海外のカジノで実践している徹底した監視体制と厳罰化、従業員のセミナーや広告・入場規制等の犯罪抑止策を紹介しつつ、デメリットを最小限にして、観光・経済発展につなげていくべきと論じておられました。現在国でも超党派で議論されており、まず2〜3ヵ所考えてみようじゃないかという方針が確認されたと聞きます。とにかくデメリットを完全にクリアするのであれば、和歌山県なんかは白浜空港や至近に関空があり、観光地もたくさんありますから、カジノは絶好の観光振興・経済効果を生み出すものと思います。ぜひ乗り遅れないようにしたいものだと思います。

<5月9日(日)映画『ゆずり葉』を観て>
和歌山アゼリアロータリークラブ主催の上映会で、久しぶりにハンカチが涙でびっしょりになる感動の映画を観ました。(財)全日本ろうあ連盟創立60周年を記念して製作されたもので、『ゆずり葉』は若い葉が育ってから古い葉が落ちることにちなみ、“己の代を次の代にゆずる親心”をあらわす繁栄の象徴という意味を持っています。20数年前にストップしていた障がい者の差別撤廃運動で手がけていた映画づくりを再開することになった聴覚障がい者の大工は、最愛の臨月の妻に吹雪の中死なせてしまった過去を持っているのですが、オーディションで主演に選ばれた青年と葛藤しながらも映画撮影は進み、ある時その青年がわが子であることが分かるが、病魔に侵され、ラストシーンを撮り終えて死んでいくといったストーリーでした。

<編集を終って>  がんによる死亡率が全国有数である本県の状況に鑑み、がん患者・家族の目線に立って、がん診療やがん検診率の向上、そしてがん患者とその家族のサポ−ト、及び県民のがんに対する意識向上に寄与しようとNPOいきいき和歌山がんサポ−トが設立されました。私もメンバ−の1人として議員の立場で行政にものを申していきたいと思います。8月28日(土)13:00から和歌山ビッグ愛1階大ホ−ルにて、『妻を看取る日』と題して、国立がんセンタ−名誉総長垣添忠生先生の講演会を行います。ご自身もがんを体験し、亡き奥様のがん闘病に献身的に看護・介護された凄絶なご経験をお持ちです。ぜひ皆様奮ってご参加ください。(長)

<9月18日(土) 第28回和歌山バイオサイエンスフォーラム>  今回も「食品開発最前線」と題して、まず、京都府立医科大学大学院特任教授の西野輔翼先生に、「和歌山県産農産物を活用した機能性食品開発の可能性」として、果実の機能性からいろんな和歌山県の果樹の加工への可能性のヒントを医療面、健康面からもいただきました。また、和歌山県の代表的な食品加工会社紀州食品株式会社代表取締役会長武井建登氏より「和歌山の果実加工について」として、本県の果実のおいしさを生かした缶詰などの加工品、そしてお菓子の材料加工等の、どこも行わないニッチの部分の先駆的戦略的取組のお話をいただきました。生食のおいしさだけで売れる時代ではありません。食品産業では機能性と付加価値を持って絶えず積極的に仕掛けていく姿勢が必要と改めて痛感しました。

<10月14日 和歌山社会経済研究所講演会「為替相場と経済のお話」>  元日銀理事、リコー経済社会研究所長稲葉延雄氏の講演を聞いてまいりました。以下要約です。外国為替相場は銀行の信用度が影響する。物価の影響を除いた実質為替レートで見るべきだ。日本の物価は1995年を100とすると2009年も100で横ばいだ。アメリカは1995年が100で2009年は140と40%も上がっている。今の円高は実質でいうとそんなに悪いことではない。リーマンショック以降先進国経済はもたついていて、欧州経済の回復が弱々しい。FRBが金融緩和を唱え、金利の上げ下げでなく、量で緩和すれば今の経済は活性化してくるのではないかというが、ほんとうに効果があるかはわからない。世界経済の中で日本も生活しており、米欧経済がよくならないと日本もよくならない。日本経済の課題といえば904兆円を超える財政赤字だ。海外に依存しないで日本の持つ貯蓄で何とかなっている。ヨーロッパの消費税のように20%くらいまでに持ってくれば日本経済の展望も開けてくるが。成長戦略としては、世の中の必要とされている財を効率的に生産するようにすべきだ。高齢化の中で潜在的なニーズは高い。企業が人口減少、少子高齢化に慣れていなくて、一部しか気づいていない。新しい需要がある。おむつの会社ユニチャームは消費量が増えている。赤ちゃんは減っているが、おむつを使う期間は長くなっている。お年寄りの使用は増えている。ペットも高齢化する中おむつの使用がある。死ぬまで人間らしく生活するために今まで考えられていないニーズがあるのではないか。日本の医療費は30兆円で年々増えている。医療サービスを求めているということであるからここにも活路はあるのではないか。

<10月27日 高松地区連合自治会研修>  「稲むらの火の館」津波防災教育センターで以下お話をうかがいました。来年度から小5の教科書へ「稲むらの火」が復活する。浜口梧陵翁は実際は誘導のため道明かりとして稲むらに火をつけた。100年後に襲ってくる津波にも安心して地域に住めるよう5mの堤防を作った。家業のヤマサ醤油の資本の2割を使った。村人に「働ける人はみな来てよ」と堤防づくりをはじめ、防災面だけでなく、失業対策として仕事(日当)を民衆に与えた。工事着手して8ヵ月後に江戸で安政の大地震が発生し、江戸のヤマサが壊滅的打撃を受けたが、広村からの懇願で「なんとしてもやり遂げる」と決意した。堤防には和ろうそくの原料のはぜを植え、防風・防潮のための松を植えた。濱口翁の広村に対する郷土愛、質素で、丁稚とともに働き勉強熱心であった点は政治家としてまさに見習うところです。 「経世済民」の志をもち、「自分が助けないで誰が助ける」という強い意志を貫いたそうです。

<11月14日NPOいきいき和歌山がんサポート第1回タウンミーティング>  日本医療政策機構プログラムマネジャー、NPOグループ・ネクサス理事長天野慎介氏のお話をうかがいました。「27歳時に血液がん悪性リンパ腫を発症し、抗がん剤・放射線治療で10年たっても3ヶ月に1回外来で検査に行ってる。NPOの立ち上げに関わり、国のがん対策推進協議会に患者として参加している。今5人の患者委員がいる。がんの死亡者を20%にするという目標は達成できるが、生活の質の向上を目指さなければいけない。今10県でがん条例が制定され、6県で条例制定の動きがある。それぞれに地域性もある。議員(議会)の助力は欠かせない。」ミーティングではいろんな前向きな議論が出ました。「条例があれば行政でも施策の予算化がしやすい、地域がん登録も進む」「がん対策アクションプランがほしい」、「在宅医療」の推進には、「地域連携パスの推進、病院と地域の2人主治医制がいい」「麻薬、モルヒネに対する患者・家族の意識を変えてほしい」「在宅医を県でわかるようにしてほしい」、「医療相談」では、「がん患者の精神的ケアの充実を」「臨床心理士への相談を」「和歌山市医師会では今7月から認知症患者支援センターを始めた」「がん患者サロンにぜひ来てほしい」「患者サロンのリーダー養成も必要だ」「患者相談の充実を」、「医療情報の提供」では、「ネットが使えない人もいるので、疾病ごとのガイドブックがあれば」「患者必携の活用を」「一般の人にがんのことをもっと知ってもらいたい」、そして「意識改革」については、「がんになってからあわてないようにがんを理解いただく方法を」「がんの告知についても本人・家族色々意見はある」等々の議論が自由闊達な雰囲気の中で出ました。これからもタウンミーティングをたびたび開催して県がん条例制定等がん対策の推進に寄与できればと思いました。

編集を終って  ここへきて、知事選、このレポートの締切、ラジオの「健やかな老後をおくろう」収録シナリオ作り、自分の後援会体制作り、12月議会の準備等々たて込んでしまって身動きの取れない状態が続いています。こんなとき一杯のビールや温まる焼酎のお湯割りはほんとうに体内に気持ちよくしみ込んでいってつかの間の癒しです。ついつい寝込んでしまうことも…!大ボケをかまさないようにあせらず年末年始気を引き締めて、前向きな戦闘気分を培っていきたいと思います。(長)

@ 砂の丸広場での開会あいさつ A 河西公園でタンデム自転車の介添え B タンデム自転車で楽しむ長坂たかし C 8月7日和歌山競輪場バンクを試走、興奮と快感! D 8月8日紀州よさこい祭り高松演舞場の長坂たかし E 大橋市長や主催者と共に、今年もありがとうございました F 8月8日紀伊松風苑でショートステイの方々とピース!

G 8月23日女子ソフトボールでトップコーチ招へい事業 北京オリンピック、チームトレーナー大石益代氏とシドニーオリンピックの増淵まり子選手を迎えて H 8月29日ジャズマラソン10周年イベント、プレミアムスーパーバンド・ジャズコンサート I 10月24日ジャズマラソン本番、太め残りで昨年より大きく遅れる! J 10月5日田辺警察署にて K 10月6日警視庁白バイ訓練所にて L 8月28日いきいき和歌山がんサポート第2回がんサポート講演会終了後、垣添先生を囲む懇親会にて M 11月14日がんタウンミーティングにて活発な議論が展開

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           
N 8月県道紀和停車場線の窪みによる民家へのはねかえり O 数日後に補修いただく P 8月築港地内事故多発交差点に停止線を引いていただく Q 8月三年坂通り、振動の激しい地点を改修いただく R 9月6日(独)北海道立総合研究機構産業技術研究本部食品加工研究センター前にて S 京都府立医科大学西野輔翼名誉教授 21. 紀州食品兜粋芟囀o会長
22. 「たかしの舞台」はかま姿の長坂たかし 23. 倒壊建物救助訓練 24. 自衛隊和歌山地方協力本部の皆様にご参加いただく 25. 11月6日松江地区自主防災訓練にて、自治会が集合して避難移動 26. 10月26日高松地区人権委員会研修、鶴見緑地にて 27. 10月27日高松地区連合自治会防災研修にて、広村堤防 28. 和洋折衷の娯楽室にて
29. 談話室にて傾聴研修、入所の方と親しく談笑 30. 11月4日高松地区ふれあい食事会にて、幼稚園児とふれあい 31. 県防災センターにて県危機管理局長より説明をいただく 32. 県農業大学校の温室にて、熱心に実習する学生に敬服! 33. 第1回は10月10日磯子亭でライヴ、若者・サーファーでにぎわう 34. 第2回は11月14日西庄→加太→磯ノ浦とつかの間のドライブ スカG等、青春時代の名車群「ちょい古くるまショー」 35. 11月3日第9回和歌浦漁港朝市しらすまつり、今年も大盛況!
36. 11月8日和歌浦漁港にて獲れたばかりの生しらす、うまかった! 37. 10月18日伊勢神宮参拝の後は夫婦岩へ 38. 松阪市のエスカルゴ牧場にて、社長の情熱に共感!そしておいしい! 39. 8月片男波公園の八魂歌碑の説明板が根元で折れていた 40. 9月上旬 公園管理事務所で新しく説明板を設置いただく 41. 10月16日読売ふれあいフェスタで和中ボート部歌と、昭和15年片男波沖で遭難した8人の哀悼歌 「友よ静かに眠れ」を県警音楽隊に演奏いただき先輩方と熱唱! 歌手塩山和子さん、作詞家天勝龍輝氏もお見えいただく 42.  11月3日同級生お誕生会、中学時代にタイムスリップ!
43. 10月19日ギニアビサウ共和国、ルルディス・バス国務大臣のお話をうかがう 44. 10月2日吉村英夫氏環境大臣表彰祝賀会にて、乾杯のごあいさつ 45. 11月21日雑賀崎金属工業団地でゴミひろい ペットボトル、空き缶、釣り仕掛けゴミがいっぱい  釣り客もお手伝いいただく 46. 11月21日国際交流まつりでモンゴルの衣装を身にまとう 47. 11月24日青墨会展出品「蓬莱岩」小笠原先生、お世話になりました! 48. 49
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