平 成 13 年 12 月 議 会 |
1.救急医療体制について
(1)小児医療について
少子化の進行に伴い、小児科専門医の不足や小児科の縮小、廃止などが見られる。子供は急に発熱したりして保護者としては特に夜間の発症の不安が強くなるように、病児保育に対するニ−ズはかなり大きくなっている。今後、特に新生児医療、小児救急医療の分野や細分化された専門分野での小児科医の不足が懸念される。
(問)a.開業医も含めた輪番制による小児救急医療体制はどうか?
(福祉保健部長答弁)小児輪番制は、二次医療圏単位で小児科を有する病院が当番制により休日・夜間の小児救急患者を受け入れる制度で、市町村が主体となって実施するものだが、本県においては現在のところ実施されていない。
(問)b.保育所等の病児保育について
(福祉保健部長答弁)平成13年度までに一箇所の設置を目標として実施主体である市町村に促進を促してきたが、実施に至っていない。今後も、ニ−ズの多い市町に対し医療機関や保育所等での設置に向けて強くお願いしてまいりたい。
(問)c.県立医大の小児救急医療に対する人材づくりはどうか?
(医大学長答弁)本学においても医師不足を実感している。小児科に加えて、救急・集中治療部ならびにリスクの高い妊産婦と新生児に適切な医療を提供するための周産期部に、小児科医のための定員を配置し、小児科の定数増を図っており、さらには、小児科担当教授には小児科を専攻する大学院生の増加に頑張っていただくなどして、小児科医師の育成、確保に努めている。また、学部教育及び卒後の研修カリキュラムでは、小児科以外にも、救急及び周産期部において小児医療を学ぶことになっている。
(問)d.県の今後の小児救急医療体制は?
(福祉保健部長答弁)県としても、今後の少子化対策の重要な課題であると認識しており、15年度からの次期医療計画で位置付けをしてまいりたい。
(問)(2)ドクタ−ヘリ導入について
(福祉保健部長答弁)本年度、ヘリコプタ−救急システム推進検討委員会を設け、検討を進めている。現在、平成12年救急搬送事例を基に、導入した場合の需要予測や効果予測について詳細に調査検討を行っている。国の試行事業でその有効性が示されており、本県においても有効性が期待できることから、導入に向けて、引き続き検討してまいりたい。
(問) (3)救急医療における地域格差について
(知事答弁)県内を7つの二次保健医療圏に区分して病床数を初めとする医療資源の適正配置を促進しているところである。しかし、地域においては、休日、夜間の診療体制が未整備な地域もあり、その拡充、診療機能の充実を図っていきたい。
本県の地理的ハンディキャップを補うため防災ヘリの広域救急搬送への利活用を推進するとともに、ドクタ−ヘリの導入についても検討を行っている。
2.都市計画道路南港山東線について
通称「水軒の通り」、すなわち和歌山港駅と水軒駅とを結ぶ臨港鉄道の踏切部分を西のはしとして西浜、水軒口各交差点から塩屋、和歌川大橋、国体道路小雑賀交差点を越えて、JRの鉄道高架をくぐって和田川を渡り、三田、山東へ通す予定の南港山東線について尋ねたい。問題箇所として、水軒口交差点から大浦街道と交差する西浜交差点までの延長約1,000m区間だが、対向2車線の道路で、道路に沿って商店、住宅などが立ち並び、充分な歩道幅もなく、西浜中、和歌山工業高、星林高、雑賀小と学校が集中しており、登下校時間には歩行者、自転車通学者、そして通勤用の自動車、バイク、さらには貨物トラック、トレ−ラ−でごった返す、交通渋滞はもちろんのことたいへん危険な区間である。 付近の生活道路でもあり、和歌山下津港や工業団地、それに中央市場という臨港地域と繋がる産業道路であり、さらに通学道路でもある。早急に本格的な事業着手にかかるべきである。
(問)a.事業の進捗状況は?
(土木部長答弁)国体道路から東へ県道和歌山海南線までは、鉄道交差部の通行規制の解消に向けて、JR紀勢線の下越し工事を促進し、平成15年度中に供用開始したい。県道和歌山海南線から和田川を越えて、県道三田三葛線までは、昨年度事業着手しており、本工事に着手できるよう計画的な用地取得に努める。県道三田三葛線から竃山神社付近までのうち約500メ−トルについては、測量調査を行っている。塩屋から水軒口までは、市の事業として、昨年度事業化しており、特に狭隘な塩屋交差点から350メ−トルの区間について用地買収に着手している。
(問)b.踏切部分の道路拡幅工事の予定は?
(土木部長答弁)平成14年度中の着工を目途に諸手続きを進める予定である。
(問)c.水軒口交差点から西浜交差点までのすみやかな事業着手を!
(土木部長答弁)当該区間の整備は、市の事業として取り組むことになっており、今後、和歌山市域の道路網の整備状況を見ながら着手時期について、市と協議する。
3.紅葉の山林づくりについて
(問)木村知事は先ごろ緑の雇用事業を提唱されて、小泉首相にも理解を得られたところである。県下には、土砂を採取して地面が露出した山や、樹木の無軌道な伐採により自然のバランスを失った山並みなどが点在するが、各市町村で、ことに過疎に悩むところで紅葉樹や広葉樹の苗を何層かに植林して「紅葉の山」として新しい名所をつくってみてはどうか。県出身の県外在住の方々や県内の中高年に限らず雇用を求める方々が木の苗を地元の林業従事者から安価で購入し、それを県や市町村といった行政が受け皿を作って紅葉の山づくりに従事してもらうといった「紅葉の雇用事業」によって新しい自然環境、ひいては観光名所を創出しながら雇用を生み出すことも一案だと思うがどうか。
(知事答弁)私が提唱した緑の雇用事業は、Iタ−ン者等を受け入れ、広葉樹の植栽などによる森林の整備を通じて、環境保全を図る、総合的な活性化施策である。今回、緊急地域雇用創出特別基金を活用し、緑の雇用事業の一環として、イロハモミジやヤマザクラ、また、ケヤキやコナラなど彩りのある広葉樹の植栽等を行い、雇用の創出を図りたい。今後共、提言の趣旨を踏まえ、積極的に取り組んでまいりたい。
4.青木建設の破綻〜加太第二期土取り事業に関連して
去る12月6日、株式会社青木建設が東京地裁に民事再生法の適用を申請し受理された。同社は、和歌山加太地区において、関空第二期工事に用いる埋め立て用土砂を鹿島建設とのJVで供給することとし、1999年11月27日から搬出を開始している。そもそも加太の第二期土取り事業は民間業者を主体とするものの、その事業進行にあたっては県が指導責任をもつ立場にあることは明言されているので、今回の事態を受けて和歌山県としての姿勢、青木建設と県の立場、さらには今後の推移について県議会に対し県当局の説明があってしかるべきと考える。
(問)a.関空二期事業を推進する立場の和歌山県にとって、青木建設の今回の問題で工事の遅延、後退は許されないが、加太土取り事業への影響はどうか?
(知事答弁)同社からは、今後とも責任を持って事業を継続していく旨の報告を受けており、現にその後も休止することなく土砂搬出が行われているところから、事業への影響は殆どないものと考える。
(問)b.青木建設の破綻で、県内の下請業者への影響と、倒産、失業、雇用問題等懸念される問題についての取り組みは?
(土木部長答弁)現在、県が同社に発注している工事はない。今後、下請業者や資材業者等に対する代金についても、現金で支払うと聞いており、県内下請業者等への影響は少ないと考えている。
(商工労働部長答弁)県においても、必要に応じて県制度融資の活用等金融面での相談に応じるとともに、倒産等による失業者の雇用を少しでも促進するために、再就職のための職業訓練などの支援、事業主に対する各種助成金制度を活用されるよう周知に努める。