平 成 12 年 12 月 議 会

1.      和歌山下津港の整備について

 (問)9月議会の知事の「雑賀崎沖の埋め立て計画における環境調査費の執行を見送る」発言は、国、県のきわめて厳しい財政状況の中、大きな決断をされたと感じる一方で、岸壁、荷役設備や施設整備といった港湾整備にとどまらず、同時に進行されなければならない陸海空を結ぶ交通アクセス、すなわち、臨港道路体系の整備、紀ノ川の右岸道路の整備、第二阪和国道へのアクセス道路、また阪神高速湾岸線の和歌山下津港までの南伸接続、さらに紀淡連絡道路といった整備まで歩みが止まってしまわないか。和歌山県の発展は産業、交通、観光の面からも和歌山下津港の港湾整備にかかっているといっても過言ではないと思うが、和歌山下津港港湾整備計画について知事の意気込みは。

 (答)(知事)和歌山県が将来発展していくために海を活用していくということは、たいへん重要な要素であると考えている。和歌山は、海上交通の大動脈である太平洋航路の関西の玄関口に位置している。一方、陸を見るとき、阪神高速湾岸線、近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道など関西の3つの環状道路が集まる陸上交通の一大結節点ともなる。このように和歌山下津港は、海と陸の大動脈の結節点という、ポテンシャルの高い場所に位置している。私は、大競争の時代にあって、より積極的に関西経済圏の一員として、和歌山の地の利を最大限に活かしていくことが重要であると考えており、和歌山下津港は、特に物流機能や産業活動の観点から、そうした役割を担っていくべき要に位置する港であると思っている。21世紀の活力みなぎる和歌山を創造するため、和歌山下津港の整備と、より一層の利活用に努めてまいりたい。

 

2.      障害児者への福祉施策について

 (問)a.施設整備について
 
 知的障害者更生施設、身体障害者療護施設、また重症心身障害児施設といった入所施設に待機者が実に多い。和歌山市内では絶対数の不足、特に重症心身施設が40万都市に設置されておらず、保護者の心情を思うと、ぜひとも重症の子供を受け入れる施設が必要ではないか。

(答)(知事)障害者施設の整備については、地域的なバランス、待機者の状況や在宅サ−ビスの実施状況を考慮しながら整備を図ってまいりたい。   

知的障害者の施設については、通所授産施設は着実に整備が進んでいる。身体障害者の施設についても、現在、通所型の療護施設を整備している。重症心身障害児者の施設については、南紀福祉センタ−で、定員を50名から60名に増員した。今後共、地域のニ−ズを十分把握しながら、整備について検討してまいりたい。

 (問)b.在宅サ−ビス施策の充実について

   (ア)ホ−ムヘルプサ−ビスでは、ヘルパ−の数がどうしても足りていない。障害者が自分の気に入った人を介護者に選んで、市町村が補助する全身性障害者介護人派遣事業の和歌山県での採用はどうか。ホ−ムヘルパ−の制度の活用、充実に対する県の考えは。

   (イ)重度の心身障害児者に対するデイサ−ビスにおける県の取り組み状況は。

   (ウ)ショ−トステイについて、特養などの民間施設での受け入れも考えてみてはどうか。また、医療ケアが重度心身障害児者の施設ではショ−トステイサ−ビスが大きな必要性を帯びてくるが、県下の公立病院や総合病院でも対応ができないものか。

 (答)(福祉保健部長)(ア)実施主体である市町村に対し、障害者の要望に適切に対応できるよう、事業の実施とヘルパ−確保等の提供体制の充実、制度の周知についても働きかけている。併せて、事業の実施にあたり、派遣時間の制限の撤廃や、特性や要望に応じた柔軟な対応についても指導している。また、必要な人員数を確保するため、平成12年度から障害者ホ−ムヘルパ−養成研修を実施している。なお、全身性障害者介護人派遣事業については、介護を必要とする人が自ら選んだ介護人を利用する登録制度と併せて、市町村と検討していきたい。

(イ)     デイサ−ビス事業については、医療のバックアップが必要なことから、今後の事業実施については、地域のニ−ズを踏まえ、適切な実施方法を検討してまいりたい。

(ウ)ショ−トステイについては、身体障害者の場合は、身体障害者施設だけでなく、介護保健施設の利用も行われている。知的障害者及び障害児に対しては、17施設で実施しており、専用床の整備を図っていきたい。特別養護老人ホ−ムや医療機関の利用については、身近な地域で、より利用しやすくなるように関係機関と協議していきたい。

 

3.      救急医療体制の充実について

  (問)早期治療の開始と迅速な搬送による救命率の向上を図るため、救命救急センタ−にドクタ−ヘリ、すなわち医師とセンタ−専属の看護婦が同乗する救急専用ヘリコプタ−を半島県の和歌山県に導入してはどうか。民間委託で病院に常駐できて、医療スタッフを迅速に患者のもとへ送り届けて、初期治療、そして病院へ患者が送られて、検査、手術後すぐにヘリで地元の病院へ送り返すことができる。また、医療手段の一つとして、その費用が健康保険でまかなわれ、救命率が向上して健康保険の財政改善にも貢献することになると思うがどうか。

   また、心筋梗塞、脳卒中の早期治療体制の整備として、SCU(脳卒中の集中治療室)専用病室、医療機器の整備指定に名乗りをあげてはどうか。

  (答)(福祉保健部長)国において、ドクタ−ヘリの有効性について、山間へき地を抱える本県においても、救急医療に精通した医師が、現場により早く到着し直ちに救命医療を開始し、高度な救急医療機関まで連続的に必要な医療を行うことにより、救命率の向上や後遺症の軽減に大きな成果を上げることが期待されている。県としては、ドクタ−ヘリ事業の導入に向けて、今後、諸課題について色々な角度から検討を加えるとともに、関係機関との協議を進めていきたい。心筋梗塞・脳卒中の早期治療体制の整備については、本県には2箇所の救命救急センタ−及び80箇所の二次救急医療機関があり、今後、国で制度化された段階で、地域の実情も含めて検討してまいりたい。